映画『ALL THINGS MUST PASS』鑑賞レビュー

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ここ最近のことにはなりますが、
「Amazon Fire TV Stick」を
結構な頻度で活用しています♬

まだまだ知らなかった映画や音楽などの
コンテンツに出逢うのは楽しいものです♬

昨日、映画『ALL THINGS MUST PASS』を観ました。

ハリウッドスター、トム・ハンクスの息子、
コリン・ハンクス監督作品となる本作は、
アメリカで生まれた大手レコードショップ、
タワーレコードの誕生から破綻までを描いた
ドキュメンタリー映画です。

実はこの映画、アメリカのテキサスで
毎年開催される全米最大規模の
映像と音楽の見本市、SXSW
(サウス・バイ・サウスウエスト)で、
2015年にプレミア上映されたそうです。

当時、まだ40歳手前のコリン・ハンクスが
どうしてこのような映画の監督をしたのかは
定かではありませんが、
リアルタイムでタワーレコードを利用していた
一人として、とても懐かしくもあり、
興味深く鑑賞できました。

初めて知ったこともいろいろありました。

最も意外?!だったのは、
その歴史が1960年からスタートしていた
ということでしょうか。
そんな昔からタワレコがあったとは、
驚きです!

そしてその20年後の1980年には
日本に出店しています。
日本に外盤(輸入盤)をライトユーザーにまで
定着させたのは、タワレコの功績の一つと
言えるかもしれません。

個人的にはアメリカ盤がメインの
タワレコより、UKをはじめ、
ヨーロッパやアジア、南米などの
音楽作品を豊富に取り扱っていた、
WAVEやヴァージン・メガストアが
お気に入りでしたが、その中間?!的
位置付のHMVも含め、
毎週のように訪れていました。

特に、かつては、渋谷にあるタワレコは
夜23時まで、さらにHMVは夜24時まで
営業していたので、
仕事終わりによく通っていました♬

自宅から徒歩10分圏内だったこともあり、
時間も電車の時刻表も一切気にすることなく、
閉店時間まで両店を行き来してました。
そして、24時を過ぎたら帰りがけに
24時間営業の山下書店に寄ってから
帰宅するというのがいつものパターンでした。(苦笑)

もちろん?!、更に寄り道して、
渋谷や南青山、恵比須や代官山、
中目黒などにある行きつけの飲み屋や
バーにいくこともしばしば。(笑)

まだ渋谷の東横線が地上にあった時代です。

話は映画に戻りますが、映画の中では
創業者のラス・ソロモンをはじめ、
当時の社内幹部や
レコード会社などの関係者から、
ブルース・スプリングスティーン、
エルトン・ジョンといった
著名アーティストらの
貴重なインタビューが紹介されています。

あの伝説のグランジ・バンド、
ニルヴァーナの元ドラマーで、
現フー・ファイターズを率いる
デイヴ・グロールも
インタビューに応えているのですが、
まさか彼がタワレコでバイトしていたとは!
時代を象徴しているように感じました。

エルトン・ジョンのような超スーパースターが
気軽にリムジンカーで店の前まで乗り付けて
一度に何十枚ものレコードを買って帰る
レコードショップがあったなんて、
凄くないですか!?

従業員の服装や髪型は自由!
 ドレスコードは一切なし!
・ランチに行ったら2時間以上帰ってこない!
・アルバイト初日から独りで店番!
二日酔いで出勤は日常茶飯事!
・はじめは音楽知識以外はほぼスキルなし、
 というスタッフが大半!
・仕事以外は連日のように、
 酒やドラッグやセックス、パーティ三昧!
・販売企画は各店舗スタッフが主導
 立案&実施!

もちろん、
時代にマッチしていたこともありますが、
こうした自由な社風がカスタマーにも
親近感を与え、   
受け入れられたのではないでしょうか。

自前で専門音楽フリーペーパーを
発刊したことも当時としては
かなり画期的であったと思いますし、
レコード会社やアーティストたちにとっては
とてもありがたい媒体になっていたことは
言うまでもありません。

まだ10代の頃、初めてアメリカに行った際、
ロスにあったタワーレコードの店の前で
撮った記念写真が、
今となっては良い思い出になっています。

自由の女神像やエンパイア・ステート・ビル、
チャイニーズ・シアター、タイムズスクエア
などと並び、店の構えは、まさに
「アメリカの象徴」そのものに見えました。

ひと目でそれと分かる、イエローの背景色に
真っ赤な「TOWER RECORDS」の
ロゴをあしらった看板。

壁面にはヒット・アルバムのジャケットが
何枚もデカデカと描かれていました。

ブルース・スプリングスティーンもそこに
自分のアルバムが描かれることが
夢だったようです。

もうその頃はレコードに換わって
CDがメイン商品となっていましたが、
その販売価格が一律になっていて、
在庫の量の多さにも驚かされましたが、
とても分かりやすくていいなぁ、
という印象が強く残っています。

今のティーンエイジャーがこの映画を観ても
「何が面白いの?」と思うかもしれませんが、
アメリカの音楽シーンを語る上で、
タワーレコードの存在は
決して避けることはできません。

この映画はそのアーカイヴ的作品としても
大きな意味を持っていると思います。

当時を知る音楽業界関係者が
この映画を観たら、懐かしさとともに
感慨深いものはあるでしょうね。

本国、アメリカに逆輸入された、
日本のコピーライター、木村透さんによる
2005年タワレコポスター用キャッチコピー、
“NO MUSIC,NO LIFE.”

企業は「ALL THINGS MUST PASS」に
あてはまるのかもしれませんが、
やっぱ『音楽』は不滅ですね!!

さてと・・・、
これからこの映画を
もう一度、観直そうと思います♬

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この記事を書いた人

“While my heart is still beating.”

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